トップページ > 食と健康講座3 今すぐ始められる食事でアンチエイジング。
若返りの鍵をにぎる抗酸化物質
老化の原因として数ある学説の中で、医学的応用範囲が広いことなどから説得力をもってきている、フリーラジカル説(酸化障害説)。細胞が酸化することで老化が起こるという考え方です。生物が生きるうえで酸素は必須。でも、体内にはフリーラジカル(活性酸素)が発生してしワいます。その防御システムとして働いているのが抗酸化酵素なのです。その発現量が多い生物ほど、寿命が長いことが知られています。
さらに体に備わったシステムだけでなく、食べ物から摂取するビタミン類(とくにビタミンEとC)、また、野菜や果物に含まれるポリフェノールも、抗酸化物質として大事な働きをします。そう、この抗酸化物質の摂取が、アンチエイジングの重要な柱になるのです。
そのようなアンチエイジング食材の代表格に、りんご、トマト、大豆などが挙げられます。りんごには、ビタミンA(β-カロテン)、B群、C、E、葉酸のビタミン類のほか、カリウム、カルシウム、リン、マグネシウムなどのミネラル類も多く含まれています。また、皮のすぐ下に凝縮されているリンゴポリフェノールは、抗酸化能力が高いカテキンが幾重にもつながってできていることが分かっています。りんごはよく洗って皮ごと食べることで、抗酸化効果がアップします。
またトマトは、赤い色素・リコピンが健康成分として注目されています。リコピンは、強力な抗酸化作用をもっています。
大豆は、植物で唯一肉に匹敵するたんぱく質を含み、畑の牛肉ともいわれています。鉄分やカルシウムなどのミネラル分も豊富ですが、イソフラボンと呼ばれる成分に注目が集まっています。イソフラボンはポリフェノールの仲間で、コレステロール低下、体脂肪減少、血圧降下、リ肉疲労の改善など、多くの効果が報告されています。加工食品も多いので、取り入れやすい理想的なアンチエイジング食材といえるでしょう。
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順天堂大学大学院研究科加齢制御医学講座教授。ヘルシーフードライフでは、食による予防医学の第一人者、順天堂大学教授の白澤卓二先生を中心として、健康な食にまつわる様々な方の体験、実践をご紹介し、皆様が身体の内側から健康に、美しく、若く、改善することをサポートしていきます。